住まいのノウハウ

日本のてっぺんで暮らすということ。稚内移住のリアルと「風」の攻略法

いえらぶコラム編集部

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「最北の街」という響きに、どんなイメージを持ちますか?

地の果ての静かな港町……もしそんな想像をしているなら、半分正解で、半分は外れです。

ここは、頬を叩く強烈な潮風と、水平線に沈む圧倒的な夕日、そして厳しい冬を乗り越える人々の温かさが同居する、日本で唯一無二のフロンティア。20代・30代の単身者や、小さなお子さんを持つパパ・ママに向けて、カタログスペックではない「稚内の日常」を、地元の不動産エージェントの視点でお届けします。

生活利便性のリアル スーパーの鮮度と「いつもの味」

稚内の街を歩くと、まず鼻をくすぐるのは潮の香りと、どこからか漂ってくる出汁の匂いです。

日用品の買い出しといえば、地元民のインフラである「西條(SAIJO)稚内店」。ここに行けば衣食住がすべて揃う、街の心臓部です。価格帯は都市部よりわずかに高めですが、魚介類の鮮度は別格。一方で、もっと日常使いに頼りになるのが「相沢食料百貨店」です。ここのお惣菜や新鮮な地場産品は、仕事帰りの単身者の強い味方になるはず。

外食なら、稚内市民のソウルフード「チャーメン」は外せません。「ラーメン大王本店」や「ラーメン広宣」などの名店で、香ばしく焼かれた麺に熱々のあんかけが絡む音を聞きながら、冷えた体を温める……。そんな時間が、この街での「日常」になっていきます。

交通と移動の実態 車は「服」であり「盾」である

正直に申し上げます。この街で自転車や徒歩をメインに生活するのは、夏場の短い期間を除いて現実的ではありません。

稚内の移動を語る上で避けて通れないのが「風」です。稚内港北防波堤ドーム付近を歩けばわかりますが、遮るもののない北風は時に歩行を困難にするほど。冬場、吹雪で視界が真っ白になる「ホワイトアウト」の国道40号線を運転する緊張感は、慣れるまではかなりのストレスです。

歩道は比較的広く整備されていますが、冬は除雪された雪が壁のように積み上がります。単身者の方も、この街へ来るなら「4WDの軽自動車」でいいので、一台確保することをお勧めします。車は単なる移動手段ではなく、寒さと風から身を守るシェルターなのです。

子育て・住環境 大自然が庭になる贅沢と、冬の遊び場

未就学児を持つ親御さんにとって、稚内の環境は最高のギフトになります。

「稚内公園」に登れば、眼下にはサハリンまで見通せそうな広大な海。子供たちが風を追いかけて走り回る姿は、都会の公園では見られない躍動感があります。また、雨の日や冬の遊び場として重宝するのが、室内遊戯場を備えた施設です。地域コミュニティがコンパクトな分、「こども会議」などの取り組みを含め、自治体の子育て支援への意識は意外なほど高いのが特徴です。

夜は驚くほど静かです。というか、静かすぎて風の音だけが響きます。夜道の暗さは場所によってかなりあるので、お子さんの習い事の送り迎えなどは、やはり車が前提となります。

家賃と生活コスト 家賃は安く、光熱費は……

家賃相場については、単身者向けのワンルーム〜1DKで4万〜6万円程度、1LDKでは6万〜7万円前後、ファミリー向けの2LDKで7万円台、3LDK以上では9万〜10万円超の物件も見られます。

ただし、ここで「向き・不向き」を分ける最大の注意点があります。それは「プロパンガス代」と「灯油代」です。

稚内の冬は長く、10月から5月まで暖房が必要です。稚内市には都市ガスの供給自体が存在しません。すべての物件がプロパンガスと灯油給湯・暖房を採用しており、冬場の光熱費は単身でも月2万〜3万円、世帯ならそれ以上を見込んでおく必要があります。家賃の安さだけで飛びつくと、冬の請求書に驚くことになるでしょう。

結論 あなたが稚内に住むべきか、否か

この街には、向き不向きがはっきりとあります。

向いている人

圧倒的な自然(特に夕日と海)に毎日癒やされたい

新鮮な魚と美味しい水があれば幸せを感じられる

「最北に住んでいる」というアイデンティティを楽しめる

向いていない人

風の音や寒さに敏感で、インドア派を貫きたい

最新のトレンドショップや深夜まで開いている店が近くにないと落ち着かない

運転がどうしても苦手、または冬道の恐怖を克服したくない

稚内での生活は、決して「楽」ではありません。しかし、厳しい冬を越えて、宗谷岬に春の光が差し込む瞬間の感動は、ここに住んだ人だけが味わえる特権です。

稚内市の物件一覧はこちらからご確認ください。

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Writer この記事を書いた人

いえらぶコラム編集部
不動産業界・賃貸物件に関する広報活動を行いながら、現在はいえらぶGROUPのライターとして活動中。おもに、不動産・賃貸物件・税金・片付け・車といった暮らしに関わる記事を執筆しています。
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